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BLOG / 人材育成・職場づくり

経験者を迎える職場で、「分からない」を聞けるようにする

仕事の経験がある人でも、新しい職場のやり方まで知っているわけではありません。経験者採用のニュースを読むとき、私は、採用した後にその人が力を発揮できる環境にも目を向けたいと思っています。

人事院は2026年9月18日、今年度の経験者採用試験の申込状況を公表しました。対象となる5種類7試験の申込者は2,640人で、前年度比11.9%増です。これは申込みの人数であり、採用された人数ではありません。第1次試験は10月4日に予定されています。

同じ発表では、中途採用者が公務の職場に適応し、活躍するための支援にも触れています。応募者がどれだけ集まるかと、入ってから経験を活かせるか。その両方を考える必要があると感じました。

経験があることと、職場のルールを知っていること

人事院のオンボーディング支援の案内では、募集から採用、その後の適応・定着までを一貫して支える考え方が示されています。オンボーディングは、新しく入った人が仕事や組織に慣れ、力を発揮できるようにする支援のことです。

これは国家公務員についての資料ですが、自治体の職場を考えるうえでも参考になると思います。たとえば、資料を作る力があっても、誰に事前相談をするのか、どこまで自分で判断してよいのかが分からなければ、仕事を進めにくくなります。

「経験者だから分かるはず」と考える前に、その人の得意なことと、この職場に来て初めて知ることを分けてみたいところです。説明が必要なのは能力が足りないからではなく、前提となる情報がまだ共有されていないからかもしれません。

「何でも聞いて」から、具体的な相談先へ

受け入れ方を考えるなら、最初に担当する仕事をひとつ選び、困りそうな場面を想像してみます。制度の解釈を確かめたいとき、期限に間に合わないと分かったとき、他部署との調整が必要なとき。それぞれ誰に相談するかを示せると、最初の一歩が踏み出しやすそうです。

たとえば、最初の説明資料に、業務の目的、相談先、判断を仰ぐ場面を短く添える。これは私が考える工夫の一例で、特定の職場の実績ではありません。手順をすべて覚えてもらうことより、迷ったときに戻れる場所を用意することから始められると思います。

教える担当者ひとりに任せきりにせず、業務上の相談と日常の小さな疑問を誰が受け止めるかも整理しておきたいです。質問の行き先が分かることは、新しく来た人にも、支える側にも助けになるはずです。

迎える側にも、自分の仕事を見直す機会がある

新しい人から「なぜこの順番なのですか」と聞かれたとき、根拠を説明できることもあれば、慣習として続けていることもあると思います。すぐにやり方を変える必要はありませんが、法令や決裁上の理由と、職場独自の進め方を分けて話せると、見直せる部分が見えてきます。

相手の以前の職場での方法も聞いてみる。すべてを取り入れなくても、目的は同じなのに違うやり方をしていると気づけば、今の仕事を説明し直すきっかけになります。受け入れは、一方的に教えるだけの時間ではないと思います。

人を支えた経験も、キャリアの材料にする

後輩や新しい職員への説明、相談先の整理、引継ぎ資料の改善は、日常業務の一部として埋もれやすい仕事です。それでも、相手がどこで迷うかを考え、仕事を進められるように整える経験には価値があります。

自分の経験を振り返るなら、「指導を担当した」で止めず、何が伝わりにくかったのか、どう説明を変えたのか、その後どこまで確かめられたのかを書いてみる。成果が確認できていない部分を無理に補う必要はありません。

まずは、新しく来た人に聞かれそうなことを三つ書き、それぞれの相談先や根拠を添えてみる。転職を考えていなくても、今の職場を働きやすくすることと、自分の育成・調整の経験を言葉にすることを、一緒に進められると思います。

初公開・参考情報の確認:2026年9月20日(申込状況の発表:9月18日。国家公務員の資料を参考に、自治体の職場でできる工夫を考察しています)

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