BLOG / 情報発信・行政実務
案内ページの「こちら」を、もう少し具体的にしてみる
手続きの案内を読んでいて、「詳しくはこちら」というリンクがいくつも並んでいたら、どれを開けばよいか迷うかもしれません。書く側には分かっている行き先を、初めて読む人にも伝わる言葉にする。小さな修正ですが、行政の情報発信で大切にしたい仕事だと思います。
今日は、デジタル庁が公開しているアクセシビリティのガイドを読み、日々の案内文で見直せることを考えます。新しい制度の発表を伝える記事ではなく、既存の資料を使った実務の解説です。
リンクを開く前に、行き先が分かるか
デジタル庁デザインシステムβ版では、リンク先に何があるかを具体的に判断できる言葉を使うよう説明しています。私はこれを、読む人が次の行動を選ぶための案内だと捉えています。
たとえば架空の講座案内なら、「こちら」を「講座の申込フォーム」に変える。「詳細」を「参加対象と申込期限」に変える。長く書けばよいのではなく、リンク先の内容に合った名前にするのがポイントです。申込用だと思って開いたら制度の概要しかなかった、という行き違いも避けたいところです。
修正するときは、リンク先を実際に開いて確かめます。以前は申込画面だったページが、受付終了の案内に変わっている場合も考えられるからです。文章と行き先を一緒に点検するところまでが、案内を整える仕事だと思います。
見出しだけでも、探す場所が見えるようにする
本文を最初から最後まで読む人ばかりではありません。「対象になるか」「何を用意するか」「いつまでか」を知りたい人に、その情報の場所が伝わる見出しを置きたいです。
見出しは、見た目を大きくするだけでは役割を果たせないことがあります。デジタル庁のガイドは、内容のまとまりを示す際に見出し要素を使うよう説明しています。箇条書きで見出しに似せても、スクリーンリーダーの見出しへ移動する機能では扱えないためです。
更新画面に見出しの設定があるなら、文章のまとまりに合っているか確認する。操作が分からなければ、広報やサイト管理の担当者に相談する。原稿を書く人にも、内容の順序や区切りを考える役割があります。
ひとつのページを、初めて読む人に試してもらう
まずは、担当している案内をひとつ選びたいです。制度に詳しくない同僚に「申込期限はどこに書いてありますか」と尋ね、探す様子を見せてもらうだけでも、書き手が気づかなかった迷いを見つけるきっかけになります。
これは規格への適合を判定する試験の代わりにはなりません。ただ、何を直したらよいかを考え始めるには、具体的な探しものを決めると取り組みやすいと思います。気づいた点を一度に全部直そうとせず、まずは行き先の分からないリンクをひとつ見直すところからでも始められます。
文章を直した理由も、経験として残す
自分の仕事を振り返るときには、変更前後の言葉に加えて、なぜ変えたかも残したいです。何を探しにくいと考え、どの情報を先に見せることにしたのか。その説明があれば、「ホームページを更新した」という仕事の中身が伝わります。
問い合わせが減ったかどうかは、確認できた場合にだけ成果として書く。数字がなくても、読み手の行動を想像し、制度の内容を伝わる形に整えた過程は説明できます。住民への案内を考える経験を、情報を整理する力として捉え直してみたいです。
関連する記事
引用元・参考資料
- リンクテキスト(アクセシビリティ)デジタル庁デザインシステムβ版
- 見出し(アクセシビリティ)デジタル庁デザインシステムβ版
- ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックデジタル庁(掲載ページ更新:2025年10月16日)