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AIに仕事を任せる前に、公務員の経験で整理できること
AIが資料を探し、文章や表まで作ってくれるようになると、仕事の進め方も変わりそうです。そのとき私は、操作方法と同じくらい、「どこまで任せて、どこで確かめるか」を考えることが大切になると思っています。
デジタル庁は9月18日、ガバメントAI「源内」のOSS Ver 2.0に関する説明会の内容を公開しました。説明会が開かれたのは8月25日で、Ver 2.0の公開は2027年2月頃を予定しています。すでに新しい版が使えるという発表ではなく、開発中の計画を紹介したものです。
AIとのやり取りから、複数の作業を任せる段階へ
公開予定の資材には、自然言語の指示を受けて検索や資料作成などを組み合わせる「エージェントチャット」が含まれています。AIエージェントは、こうした複数の処理を進める仕組みと考えると、仕事との関係を想像しやすいと思います。
また、政府職員が作成したスキルなどを組織を越えて共有する「源内マーケットプレイス」も紹介されていますが、こちらは企画・構想段階です。公開予定の内容は今後変わる可能性があると、デジタル庁は説明しています。
この発表だけで、自分の自治体で利用できる時期や運用方法が決まるわけではありません。ただ、AIに文章をひとつ作ってもらう場面から、一連の仕事をどう組み立てるかを考える場面へ、関心が広がっていることは読み取れます。
「いつもの仕事」を、他の人にも分かる手順にする
たとえば、公開資料から制度の変更点を調べ、庁内向けの説明文を作る仕事を想像してみます。これは実際の導入事例ではありませんが、資料を探す、適用日を確認する、前の内容と比べる、説明文にまとめる、担当者が確認する、というように分けられます。
このとき、「変更点をまとめて」だけでは伝わらない部分があります。案の段階の資料を使ってよいのか、施行日と公表日をどう区別するのか、どの部署への影響まで含めるのか。普段は自分の中で判断していることも、作業を任せるなら言葉にする必要があります。
私は、そこに行政経験の出番があると思います。制度の内容だけでなく、誰に確認するか、何が未確定だと先に進めないかを知っている。その知識を手順として説明することは、AIのためだけでなく、引継ぎや仕事の標準化にも役立ちそうです。
任せる作業と、確認が必要な判断を分ける
下書きを作ることと、その内容を正しいものとして外に出すことは、分けて考えたいところです。引用した資料が古くないか、対象者の条件を落としていないか、根拠と違う説明になっていないか。確認する箇所が曖昧なままでは、出来上がった文章が自然なほど見落としやすくなりそうです。
自分の仕事で考えるなら、まず「ここを間違えると誰が困るか」と問い直してみます。説明文の言い回しなのか、期限なのか、対象者の判断なのか。影響の大きい部分が分かれば、どの資料と照合し、誰が確認するかも考えやすくなります。
実際に試す際は、所属先が認める環境と情報の扱い方に沿って進めます。最初の整理は、公開資料や架空の題材でもできます。住民の個人情報や内部資料を持ち出さなくても、仕事の流れを書き出す練習はできるはずです。
使いこなす力を、操作だけで捉えない
AIを学ぶというと、新しい機能や指示の書き方に目が向きます。それと一緒に、自分が担当する仕事の目的、必要な情報、確認する基準を整理しておきたいと思います。
同じ処理でも、何のために行うかが違えば、求める結果も変わります。会議で論点をつかむための要約と、住民に制度を案内するための文章では、確認したい内容は同じではありません。仕事の目的から必要な条件を考える経験は、新しい道具を使うときにも活かせるのではないでしょうか。
まずは、繰り返している仕事をひとつ選び、「使う情報」「進める手順」「人が確認するところ」を書いてみる。AIを導入するかどうかを決める前でも、自分の仕事のどこに判断が含まれているかを見直す機会になります。
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引用元・参考資料
- ガバメントAI 源内OSS Ver 2.0の計画に関する全国オンライン説明会を開催しましたデジタル庁(2026年9月18日公開)